

KORAIL(韓国鉄道公社;Korea National Railroad)
-産業:公共機関
-導入期間:2001年9月~2004年1月
-ソリューション:Tmax、JEUS、WebtoB
-「Tmax」の採用目的:システム間の負荷の分散及び障害の発生防止
「KORAIL」(Korea National Railroad)は、韓国の建設交通部(日本の国土交通省に当たる)傘下の鉄道庁が国営企業化した会社です。鉄道に関する事務を担当すべく設置された鉄道庁は、2005年1月に国営企業化して「KORAIL」になりました。
概要
- 高速鉄道の統合情報システムのうち、「座席予約システム」を実装
「座席予約システム」は、鉄道事業の中核システムであり、高速鉄道(KTX)及び一般鉄道の座席が予約できます。会員管理、ダイヤ管理、料金計算、空席予約情報の管理などを実現し、高速鉄道と一般鉄道の統合サービスを提供します。 - システムユーザ情報
インターネット、無人販売機及びOLTP経由のユーザ
同時接続ユーザ数:35,000~45,000名(平日ピーク時)、140,000名(オンシーズン)
開発課題
旧システムについては、鉄道会員に限って30日先までの予約サービスを提供していました。
しかし、インターネットの普及によりオンライン予約が急増したことで、 当時の座席予約システムでは、空席情報の管理、料金計算の管理などに対応できなくなっていました。
そこで、高速鉄道の開業にあたり、鉄道関連情報システムの改革を目指して新しい統合情報システムである「高速鉄道の統合情報システム」の導入プロジェクトを開始することになりました。
課題
- 情報システムへの転換や顧客システムの改善により、オンライン予約サービスなど顧客志向サービスを実現する
- 既存の鉄道システムと新規の高速鉄道システムを統合運用することで相乗効果を創出する
- ITインフラを活用した戦略的なマーケッティング活動、独自システムの運用、事業部門の拡大など、効果的なサービスによる収益性の向上を図る
開発詳細
- 既存のシステムの移行により予約システムを構築する。
- 予約待ちや予約購入の期限設定など、多様な制度を柔軟に導入できるように構築する。
- ビジネスシステムに「予約」という新しい購入スタイルを取り入れる。
- 基本情報、列車運行情報、空席予約情報、料金情報、旅行関連情報、顧客情報の管理などのモジュールを実装する。
- 利用者が急増してもリアルタイムでサービスを途切れなく提供できるよう、安定したシステムを開発する。(オンシーズンのアクセス殺到数を20万人以上に設定するなど)
- 内部職員の端末にTPモニターのクライアント環境を別途構成することで、直接TPモニターに接続して利用するインターネットユーザへの負荷を最小化する。
ソリューション
- オンライン予約サービスシステム…Webサーバの「WebToB」、WASサーバの「JEUS」
- ビジネスシステムソリューション…TPモニターの「Tmax」
導入メリット
- 新システムの採用により、誰でもどこでも(インターネット、無人販売機、旅行会社など)、1年先の切符を購入できるようになるなど(旧システムについては、鉄道会員に限って30日先までの予約可能)、ビジネス状況の急激な変化にも柔軟に対応できるようになりました。
- 予約システムの新サービスでは、切符購入の際に現金やクレジットカードだけでなく、各種のポイントや電子マネーの決済なども可能であるため、利便性が高まりました。
- また、オープンシステムならではの柔軟性を活かした多様なサービスを企画できる枠組みを作成ました。ホテルやレンタカーなどの予約サービスを連携したカスタマイズされたトラベルパッケージ商品も提供できるため、事業の拡大と新ビジネスモデルの開発が実現され、収益性が向上しました。
- メインフレームからオープンシステムに転換する際に導入コストや 既存の鉄道システムと メンテナンスコストの画期的な削減など、新規の高速鉄道システムを統合運用することによる相乗効果を創出することができました。
- 「Tmax」ベースの3層構造を構築し、メインフレーム以上の安定性を確保したことで利用者が急増してもリアルタイムで途切れなくサービスを提供できるようになりました。