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野村證券株式会社

  • 本社所在地:〒103-8011 東京都中央区日本橋1-9-1
  • 創業:1925年12月25日
  • 事業内容:証券業
  • 導入期間:2006年9月~2007年4月
  • 適用ソリューション:OpenFrame

債券約定処理システムをリホストによりオープン環境へスピード移行。
可能にしたのは、日本ティーマックスソフトのOpenFrame。

「『ワールドクラス』品質の商品やサービスの提供」というスローガンのもと、豊かな社会の創造に貢献している日本最大の証券会社 野村證券株式会社。同社は基幹システムの一つである債券約定処理システムのオープン環境移行にあたって、日本ティーマックスソフトのOpenFrameをベースとしたリホスティングソリューションを選択しました。採用の決め手となったのは、高いマイグレーション技術と、韓国本社の確かな製品開発体制、そして、システムインテグレータ ニッセイ情報テクノロジーの信頼できるサポート力でした。

投資を通じて豊かな社会の創造に貢献する日本最大の証券会社

野村證券株式会社は、二代目 野村徳七氏によって1918年に設立された大阪野村銀行の証券部が独立、1925年12月1日に創立された日本最大の証券会社です。現在は、 野村グループの中核会社として証券業務を行っており、「『ワールドクラス』品質の商品やサービスの提供」というスローガンのもと、事業活動を通じて豊かな社会の創造に貢献しています。それが同社の創業以来の変わらぬ精神であり、野村グループ全体の存在価値を示し、社会的責任を果たす上で、最も重要な行動指針です。
「調査の野村、情報の野村」といわれ、豊富な情報力と正確かつ敏速な分析力を駆使した営業力を誇るとともに、積極的に海外進出を行うなど、国際化指向の高い経営戦略も、同社の大きな特長の一つとなっています。

債券約定処理システムのプログラムをいかにオープン環境に移行するか

野村證券の証券業務の一つに債券の販売があります。債券とは、国、地方公共団体、企業、または外国の政府や企業などが一時的に、広く一般の投資家からまとまった資金を調達することを目的として発行するものです。資金調達するために発行するという点では、株式と目的は同じですが、こちらはあらかじめ利率や満期日などが決められているところがちがいます。定期的に利率分の利子を受け取ることができます。また、満期日を迎えると、額面金額である償還金を受け取ることができるため、投資家の間で根強い人気があり、同社でも国内外の多彩な公社債を取り扱っています。

この債券の取り引き管理を行うのが債券約定処理システムです。投資家の行った取り引き内容を確定情報として記録するとともに、それを投資家に送るための報告書を作成するなどといった機能があります。

それまで、同社はこのシステムをメインフレーム上で運用していたのですが、周辺機器の保守期限切れを目前に控え、これからの方向性を今一度検討することになりました。方法は大きく2つ考えました。一つめは、周辺機器を入れ換えて、このままメインフレームを使い続けること。もう一つは、プラットフォームを安価なオープン環境に移行して、プログラムをその環境に合わせて書き換えることでした。

当時、野村證券株式会社 IT基盤戦略部 次長兼システム基盤課長だった野田健一氏は、このときの検討の模様を次のように語ります。

「TCO(Total Cost of Ownership)抑制の観点から、機器や保守費のコストがより安価なプラットフォームが望ましいと考えました。ただ、そこで扱いをどうするかが問題となったのが、債券約定処理システムの中にある一部のプログラムでした。
これはすでにプログラムとして高度に完成されており、追加したい要件というのは特にありません。しかし、作り直すとなれば、それなりに要員を確保し、工数をかけた開発を行わなければなりません。入念なテストも必要です。これらのプログラムは債券の取り引き管理の一翼を担うもので、間違いや不具合が許されないからです。加えて、要員リソースには限りがあり、できればより創造性の求められる開発プロジェクトに振り向けたかった。何か、プログラムを作り直さずにプラットフォーム移行できる方法はないかと思っていました。」



野村證券株式会社
IT基盤戦略部
次長 兼 システム基盤課長(当時)
野田健一氏


資産移行の精度の高さからティーマックスソフトのOpenFrameを採用

そうした中、金融業界に出自を持ち、このフィールドに強みを誇るシステムインテグレータ ニッセイ情報テクノロジーが提案したのが、日本ティーマックスソフト株式会社のOpenFrameを使ったリホスティングソリューションでした。

OpenFrameは、従来のメインフレーム環境で運用されてきたプログラムを、再開発することなくコード変換するだけでUNIXプラットフォームでも使えるようになるというものです。この製品を利用することにより、メインフレーム上のソフトウェア資産をそのまま活かすことができます。OpenFrameは実証済みのミドルウェアであるティーマックスソフトのTPモニタTmaxを基盤として動作し、オンラインプログラム変換機能、バッチプログラム変換機能(既存JCLをそのまま使用可)、データマイレグレーション機能などを有しています。また、WebサーバやWebアプリケーションサーバ、セキュリティ機能、ストレージ機能といったものも備えています。

野田氏はこの提案を受けたとき、“これが可能であるなら、この方法が最適だ”と思ったといいます。なぜなら、プログラムを作り直す必要がまったくないからです。メインフレームの周辺機器の保守期限切れまで9ヶ月とタイムリミットが迫っていることもあり、開発工数が大幅に削減できるメリットも大きかったといいます。

同社はさっそくOpenFrameの可能性検証に入りました。移行対象のプログラムの中でも、ファイル操作などが入る比較的複雑なプログラムをいくつか抽出し、実際に自動変換をかけてOpenFrame上で稼働させてみたのです。結果は非常に良好でした。

また同社は、日本ティーマックスソフトの親会社である韓国のティーマックスソフト本社を訪ねて、製造開発や保守の体制、事業の継続性を綿密に調査しました。提案を行ったニッセイ情報テクノロジーのサポート体制も万全であったことから、今回のリホスティングソリューション採用を決定しました。野田氏は今回の決定理由について、次のように語ります。

「採用を決めた理由は大きく3つあります。
最も大きいのは、可能性検証で良好な結果を示したからです。今回の移行対象プログラムの範囲であれば品質を維持しながら確実に移行でき、TCO抑制が実現できるという確信が持てました。
また、これによりOpenFrameをベースとしたリホスティングソリューションという新しいテクノロジーの引き出しを増やすことができること、さらに、今回の案件をきっかけに、当社のシステム開発にニッセイ情報テクノロジーに新しい戦力として加わってもらえるということも補足的な理由としてありました。」

メインフレーム利用時と比較して大幅なTCO削減が可能に

野村證券は2006年9月、正式にOpenFrameの採用を決め、移行プロジェクトを立ち上げました。オープン環境に移行する前に、プログラムの棚卸しを行い、移行するプログラムを絞り込んで、対象となったプログラムは次々と変換がかけられました。11月末には単体テストが開始できる段階となり、そのまま総合テストへと進み、予定どおり2007年4月には新しいプラットフォーム上で債券約定管理システムが動き出しました。

現在、新システムの稼働から1年が経過しましたが、“想定していた以上に順調に動いている”と野田氏は語ります。

「成功する自信はあったものの、実は、もしかしたら何かあるかもしれないという覚悟もしていました(笑)。しかし、当社のメインシステムインテグレータであるNRIとニッセイ情報テクノロジー、日本ティーマックスソフトの3社の密接な連携により、7ヶ月でプロジェクトは完遂し、カットオーバー後もほぼ何ごともなく動いています。今回のリホストにより、メインフレームを利用し続けた場合と比較すると、3年半から4年で投資を回収できるという結果が出ており、TCO抑制という確かな導入効果を得ています」

今回、プロジェクトマネジャーを務めたニッセイ情報テクノロジー株式会社 次期システム推進本部 セキュリティソリューションブロック 上席プロジェクトマネジャー 小島朋行氏は、プロジェクトを振り返って、次のように語ります。

「OpenFrameのプログラム自動変換機能は非常に精度が高く、移行対象のプログラムのうち非互換だったのはほんのわずかで、いずれも簡単な修正で済むものばかりでした。リホストだから当然ですが、コードを書くという局面がなく、変換したらすぐにテストに入れて、品質を担保するために時間を使えるというのがありがたかったですね」



ニッセイ情報テクノロジー株式会社
次期システム推進本部
セキュリティソリューションブロック
上席プロジェクトマネージャー
小島朋行氏


リホスティングソリューションにより、債券約定処理システムというミッションクリティカルなシステムを、その品質を維持しつつ短期間で移行することに成功した野村證券。その根底には日本ティーマックスソフトのOpenFrameという信頼性の高い確かなテクノロジーの存在がありました。

Tmax OpenFrameのご紹介

Tmax OpenFrameは、メインフレームシステムのアプリケーション、プロセス、及びデータを抽出して柔軟なオープン環境へのマイグレーションを実現する「メインフレーム・リホスト・ソリューション」です。ビジネスロジックやアプリケーションロジックの変更なしで、メインフレームのプラットフォームからUNIXプラットフォームへのシステム全体のマイグレーションを可能にします。

Tmax OpenFrameは、企業様のビジネス環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できるシステム構築を可能にします。

Tmax OpenFrameが解決する課題

  • メインフレーム基盤システムの管理維持コストの削減
  • アプリケーション新規開発の時間的・コスト的な負荷
  • マイグレーションの難しいアプリケーションを、できる限り企業様の負担なく移行
  • 目まぐるしいビジネス環境の変化やユーザーニーズの多様化に対応
  • メインフレームによるシステム全体のパフォーマンス低下を改善
  • 将来的なリビルドを効率的に実現

Tmax OpenFrameの特徴

  • 当社のリホスト・ソリューションは、性能や安定性に対するサポート体制が万全であるため安心です。
  • 全てのアプリケーションやデータ、ユーザインタフェースなどをオープン環境にマイグレーションできます。
  • 「ジョブ制御言語」(JCL)を 付加的な変換作業なしで処理することができます。
  • 現在および将来の、手間・時間・コストを大きく削減することができます。
  • 他システムとの連携及び拡張性に優れています。
  • メインフレーム基盤のアプリケーションで使用されていた、ビジネスロジックのアドバンテージを継承し、有効に活用します。
  • メインフレームより便利なGUI方式で、システムの各種状況をまとめてモニタリングできます。

お客様プロフィール

PROFILE

本社所在地〒103-8011 東京都中央区日本橋1-9-1
創業1925年12月25日
事業内容証券業
導入期間2006年9月~2007年4月
適用ソリューションOpenFrame

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